太平洋戦争中にガダルカナル島を巡る戦いで島嶼への補給に苦しめられた日本陸軍が独自に開発した輸送用の潜航艇で、通称まるゆ艇と呼ばれていました。
開発は海軍に秘匿された状態で進められ、建造も民間の機関車工場やボイラー工場などで行われました。
船体には電気溶接が多用され、ブロック工法の採用と相まって生産性は高かったのですが、潜水艦の建造のノウハウを持たない陸軍による開発であったために不具合が多く、海軍の潜水艦と比較しても艇内の居住性は劣悪であったといわれます。
最終的に400隻を建造する計画だったまるゆ艇ですが、戦局の悪化や建造現場の混乱などにより38隻が竣工したのみとなっています。
それでも一部の艇は陸軍船舶司令部直轄(暁部隊)の第一・第二潜航輸送隊に配備され、フィリピンや沖縄、八丈島、硫黄島および朝鮮半島方面への輸送任務に投入されています。
キットは建造された工場や時期などにより複数の種類があるまるゆ艇の中でももっとも初期に建造されたゆ1級をモデライズしています。
同型艇はゆ1〜ゆ18までの18隻が存在し、ゆ1〜ゆ3はフィリピンへの輸送任務に派遣されています。
船体が中空構造のため、組み立てた状態で水に浮かべることが可能です。
工夫次第では水中モーターを取り付けて航走させることなども可能です。
本製品は3D出力業者により出力された3Dプリントモデルです。樹脂を積層して立体化する方式の3Dプリンタにより出力されたもののため、表面には若干積層痕が残っています。
キット種別:3Dプリントモデル
組立難易度:☆☆☆★★